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思考の歪みを認知して、間違った判断を無くす! [東大で一番読まれた本から]

今回は、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの、「thinking,fast and slow 上巻」をご紹介したいと思います。

 

 

目次 

 

はじめに

 

この本は行動経済学について記されています。

 

行動経済学の中でも思考の決定に関して書かれていて無意識的な思考の特徴を知って、適切な思考をするための助けになる本です。

 

 

①思考には二つのシステムが存在する

 

思考には2つのシステムが存在します。

*本書ではシステム1とシステム2と表記されています。

 

システム1は直感的な思考、システム2は時間をかけて考える思考です。

 

例えば、1+1は?と言われれば、すぐに答えが2だとわかりますよね。

では14×27は?と言われれば、紙とぺんを用意して、少し考えなければなりません。

 

これがシステム1と2の思考の違いになります。前者がシステム1、後者がシステム2です。

 

人はシステム1をメインに働かせて、システム1では考えることのできない難解な問題が現れた時に、システム2を働かせています。

 

さらにシステム1(直感思考)が、2つの思考で成り立っていると書かれています。

1つが専門家が長年培ってきた経験や知識を活かして答えを弾き出す思考と、もう一つは人特有の物事を単純に捉えることで答えを出す思考(ヒューマリスティックス)の2つです。

 

ここで問題なのが、物事を単純に捉えて答えを出すヒューマリスティックな思考には、バイアス(ここでは思考の偏り)がかかっていることが多いということです。

 

②バイアスのかかった思考

 

ではバイアスのかかった思考とはどのようなものなのか、いくつか例をあげて説明していきます。

 

あるバスケの試合で、その日シュートがよく入るホットな選手がいたとしたら、大抵の人はその選手にボールを回しますし、相手選手であればブロックに2、3人がかりでつきますよね。

 

実はこれには、思考のバイアスがかかっているのです。

統計的にいうと、偶然シュートが連続で入っているだけで、次のシュートから全く入らなくなる可能性があるということです。

 

これだけでは少しわかりにくいと思うので、同じような例をもう一つ示します。

 

・男男男女女女

・男女男男女女

・女女女女女女

 

上の男と女の並びは、子供の生まれた順番を示している。

男と女の生まれる確率はどちらも50%なのだが、真ん中の「男女男男女女」の方が他の2つのパターンより確率が高いと、直感では思ってしまいます。さらに、女が立て続けに生まれることは、何か意味がそこにはあると思ってしまうのですが、生まれる確率は「男女男男女女」とは変わりません。

これも思考のバイアスです。

 

③少数の法則バイアス

 

このバイアスを説明するのに2点、例をあげます。

 

アメリカの3141の郡を対象に、腎臓がん発症率を調べました。すると発症率の低い郡の大半は、中西部、南部、西部の農村部にあり、人口密度が低く、伝統的に共和党の地盤である地域でした。

 

では発症率の高かった郡はどこだったのでしょうか?実は発症率の低い郡と同じ、中西部、南部、西武の農村部です。

 

さて、この理由はなんだと思いますか?

 

私は発症率の低い郡が農村部であることの説明は、自然に囲まれていて、野菜を豊富に摂取できる環境にあるからなどとできましたが、発症率の高い郡にも当てはまるとなると説明がつきません。

 

この結果の本当の原因は、標本サイズが他の地域に比べて小さいことです。標本が小さいというのは、標本としている人口が少ないということです。

 

もう一点例をあげます。

 

「300人の高齢者を対象に電話調査を行ったところ、大統領の支持率は60%でした。」

これを見てあなたはきっと、高齢者は大統領を支持していると考えるでしょう。

しかし、標本数は300人です。本当にこれだけの標本数で高齢者が支持していると言えるのでしょうか?正解はNOです。たった300人の標本数では全くわかりません

 

例えば6人の高齢者に調査したのと、6000万人の高齢者に調査したのであれば、標本数にあなたは注目すると思うのですが、専門家でない限り標本数が300でも6000でも反応は変わらないと考えられているのです。

 

これは統計学の専門家であり、心理学者でもあるカーネマンですら、研究の標本サイズを小さくして調査していた経験があると書かれていました。

 

そして標本サイズが小さかったことにより、有意な研究結果が出ないことが度々あったのだとか・・・

 

さらに心理学者の大半の研究の標本数は小さく、有意な結果がでる割合は50%に留まるというのです。

 

④まとめ

 

この本で学んだこととしては、直感思考はとても優れているが、思考の歪み(バイアス)がかかってしまうことがあるので、この本で学んだバイアスがかかってしまうポイントでシステム2(時間をかけた思考)に思考を切り替え思考の正確性を高めることに利用したら良いということです。

 

そして紹介したバイアスがかかってしますポイントは、少数の法則が働く時確率を無視した時の2点です。

 

それでは!!